スピード感ある定着化の道標に

日本ビジネスシステムズが自ら体現するCopilot for Microsoft 365 の
「リアルショーケース」

生成 AI が日常業務をアシストする Copilot for Microsoft 365。業種を問わず、大きな期待が寄せられている。人材不足の中で、従業員一人ひとりの生産性や創造性の向上につながるからだ。高い関心の一方で、ケーススタディが少ないことから、「導入をどう進めればいいか分からない」という声が多いのも事実だろう。そこで、Microsoft 365 をはじめとするクラウドソリューションに強みを持つ、日本ビジネスシステムズ(JBS)は「リアルショーケース」となるべく、Copilot for Microsoft 365 を約2500人の従業員に全社導入した。IT サービス業界での全社導入は日本初となる。技術評価はもとより、採用決断のポイント、効果測定、課題抽出・解決、普及活動など全社展開に向けたリアルな舞台裏に迫る。

本コンテンツは日経BP の許可により「日経ビジネス電子版 2024年6月25日」に掲載された広告を抜粋・一部再編集したものです。
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国内参考事例が少ない Copilot for Microsoft 365
「リアルショーケース」となるべく自ら全社導入

後藤 行正

日本ビジネスシステムズ
取締役専務執行役員
ビジネスグループ統括
後藤 行正

生成 AI を活用し成果を得るためには、生成 AI の能力を理解したうえで業務変革を進めるステップが必要だ。「生成 AI に関して、実業のどの部分で効率化やコストダウン、ビジネス拡大、イノベーション創出につながるのか。日本国内において参考事例が乏しい状況です。JBS は、2020年より AI 技術の活用促進を目的とした『AI-Lab』で、実証実験や用途開発などエンジニアの育成や体制づくりに力を注いでいます」と取締役専務執行役員 ビジネスグループ統括の後藤は話す。

日本ビジネスシステムズ
取締役専務執行役員
ビジネスグループ統括
後藤 行正

Copilot for Microsoft 365 も国内参考事例が少ない点は同様だ。他の生成 AI と違うのは、日常業務で利用するため、業種を問わず同じ用途で活用できるシーンが多いということ。共通の使い方や、成果を生むノウハウ、定着化の勘所を見つけ出すためには、自ら使ってみるしかない。JBS の企業理念「優れたテクノロジーを、親しみやすく」の具現化だ。JBS は、「リアルショーケース」となるべく Copilot for Microsoft 365 の全社導入に向け、2023年8月に先行検証プログラム EAP(Early Access Program)に参加した。

日本ビジネスシステムズ
ソリューション戦略本部
マイクロソフトアライアンス部長
引野 創

EAP で提供を受けた 300ライセンスの配布では、すべての組織にライセンスが行き渡るようにした。異なる組織や役職、職種でどのように利用されるのかを把握するためだ。また、全社導入の可否を判断するべく、Copilot for Microsoft 365 の活用による効果を可視化。利用したのは、従業員の行動や習慣を分析する Teams アプリにもシームレスに統合した「Microsoft Viva Insights」だ。 Microsoft 365 における Web 会議やメール、サービスなどのデータを分析し、よりよい仕事環境を提案する同ツールを使って、Copilot for Microsoft 365 に特化したデータを収集し定量的分析を行った。

日本ビジネスシステムズ
ソリューション戦略本部
マイクロソフトアライアンス部長
引野 創

「ユーザーの声として『便利』というだけでなく、定量的に『どう便利なのか』を把握することが必要でした。経営が全社導入を判断する基準の 1つとして、また、課題を抽出し解決策を実行・測定・改善していくサイクルをまわすうえでも、定量的データの活用が求められました」とソリューション戦略本部の引野は話す。

メールの利用時間や会議時間の削減、会議数の減少といった時間削減効果に伴い、本来自分が行うべき仕事にフォーカスできる時間(価値創造時間)が 40時間から 54時間へと、30% 以上増加した。「ポイントは、ユーザー自身が気づかない間に、価値創造時間が増えているという点です。さらにメールや会議は全従業員が関わるので、全社展開時には効果のスケールアップが期待できます」(引野)。

ムーブメント作りと成功事例収集のために
ハッカソンを開催

2024年3月、JBS は Copilot for Microsoft 365 の全社導入を決断。今できないことも1年後にはできるようになると考え、働く環境の可能性を広げるポテンシャルも高く評価した。IT スキルの高い従業員が多い JBS でも、全社導入の道のりは平坦ではなかったという。ソリューションスペシャリスト本部の松尾は振り返る。「Copilot for Microsoft 365 がなくても仕事はできます。業務内容の違いや、個人差がある中で、従業員一人ひとりにいかに便利さを実感してもらうか。意識変革と文化醸成が重要なポイントとなるため、段階的に進める必要がありました」。

企業に対し様々なシステムの定着化を支援してきた JBS は、自社の Copilot for Microsoft 365 の浸透をどのように図ったのだろうか。

第1段階として、全従業員2500人を対象とした基礎トレーニングを実施。JBS における顧客向けマイクロソフト製品のトレーニング担当メンバーが、Copilot for Microsoft 365 の使い方ガイドのコンテンツを配信。ほとんどの従業員が、そのコンテンツを通じて「便利かつ気軽に使えること」を学んだという。

日本ビジネスシステムズ
ソリューションスペシャリスト本部長
松尾 邦孝

第2段階として、ムーブメント作りと成功事例収集を目的にハッカソンを開催。全従業員に向けて「Copilot for Microsoft 365 を業務で利用した事例の投稿」を募集し、その中からグランプリを決める。イベント化したことで、120 を超える応募があったという。「お客さまとの取引履歴の要約、サービスの価格相場調査、動画の要約、定型業務を自動化できる Power Automate との連携による議事録の Word 化など、日常業務で実際に役立つ様々な事例が寄せられました。投稿は SharePoint に行われるようにし、全従業員が応募内容を見ることができるようにしました。ハッカソンで出てきた事例は、積極的に社内外に展開していきたいと思います」(松尾)。

日本ビジネスシステムズ
ソリューションスペシャリスト本部長
松尾 邦孝

第3段階は、Copilot for Microsoft 365 の回答精度を左右するプロンプト(指示文)の作成支援。JBS は、デフォルトのシンプルなプロンプト(例えば、議事録の要約)だけでなく、目的に合わせてよりよいアウトプットが引き出せるプロンプト生成アプリを自社開発。このツールを使うことでユーザーは、自身が求める精度の高い回答を得ることができる。

「一般の従業員にとって、プロンプトを考えるのは高いハードルです。このアプリにより、例えば議事録であれば、会議の種別、出席者、日時・場所、10文字以内のアジェンダ、目的、決定事項、検討項目一覧、一覧ごとの意見・評価など、社内のプロンプトエンジニアリングを行っているメンバーが作成したひな形を利用できます。そのまま使うのもよし。自分なりにアレンジも自在に行えます。定着化のためには、『これは便利だ』思ってもらうことが必要です」(松尾)

提示されたひな形のプロンプトでは、最後の一文にこう書かれている。「深呼吸して落ち着いて生成してください」。この一文があると、生成 AI の回答精度があがるという。これもノウハウの 1つだろう。

第4段階は、定量的・定性的効果測定と、測定結果に基づく施策の実施。定量的効果としての Microsoft Viva Insights に加え、定性的効果の観点でアンケートを実施。定量的と定性的を組み合わせることで、使いこなしているプロユーザー像が見えてきたという。「プロユーザーは頻度だけでなく、使っているアプリも豊富です。一方で、Teams や Outlook の要約でしか使っていないユーザーも多いことがデータにも表れていました。今後、プロユーザーをエバンジェリストにした展開も行っていきたいと思います」(引野)。

定着化に向けた施策として、JBS の従業員が普段使い慣れているアプリとの連携も進めている。Outlook と連動してスケジュールを簡単に調整できる「スケラク」は、全従業員が利用している自社開発ツールだ。「これからは、Copilot for Microsoft 365 を使って対話型で、『〇〇さんの空いているスケジュールとミーティング場所の候補を出してメールを送って』と指示を出すと、まるで秘書のように日程調整をしてもらうことが可能になります」(松尾)。

本来やるべき仕事に集中できる時間を創出し、
真の働き方改革を実現

今後は、業務特性に合わせた Copilot for Microsoft 365 の活用も重要なテーマだ。法務部門における契約書チェックで利用するトライアルを行っているという。「当社の契約書と相手の契約書で齟齬がある場合、Copilot for Microsoft 365 が相違点の表示とともに、落とし所の提案もしてくれます」(松尾)。

法務部門に限らず、企画案出しでは Copilot for Microsoft 365 の能力が生きると松尾は述べる。「Copilot for Microsoft 365 のハッカソンの企画を作成したのは、実は Copilot for Microsoft 365 でした。私はプロンプトを書いて、少し修正を加えただけ。予算の割り振りも考えてもらいました。案出しといった最初の一歩をスピーディに踏み出せることで、仕事の速度が格段に上がることを実感しています」。

要約だけでなく文章作成も Copilot for Microsoft 365 の得意分野だ。「長い文章で、なおかつ決められた文字数がある場合、文章の作成は大変です。どうまとめるか、結構悩みます。今は、Copilot for Microsoft 365 に自分が求める条件を指示して書いてもらっています。苦手なことをやってもらうことで、仕事の幅が広がりますね」(引野)。

後藤は、「Copilot for Microsoft 365 により、真の働き方改革を実現できると感じています」と話し、説明を加える。「働き方改革で解決が進まない課題の1つが会議の多さです。重要性の濃淡によって一部を AI に任せて、会議の要約で内容を確認する。そこで創出した時間を、セールス部門はお客さま訪問にあてることができます。Copilot for Microsoft 365 のアシストにより、営業、法務、エンジニアなどが『あるべき姿』を実現できます。人的資源が減っていくなかで、企業の価値を上げていかなければいけない。これからは AI 資源による経営も重要になってくると考えています」。

1990年創業以来、JBS は顧客に寄り添い、信頼関係を構築してきた。Copilot for Microsoft 365 のリアルショーケースも、単なる社内実践ではなく、お客さまの立場で、様々な角度から「こう使えないか」、「ここに課題がある」など実用性を徹底追及。さらに、そこで得た知見やノウハウを生かし、導入から活用までをガイドする「Copilot NAVI」をはじめとするサービス提供を通じて、スピード感を持ってお客さまに還元していく。その中で、幅広い企業の顧客層を有する JBS は、Copilot for Microsoft 365 のコミュニティ形成を支援したいと後藤は力強く語る。

生成 AI の活用では、小さな遅れが競争力の大きな差につながる。JBS における Copilot for Microsoft 365 のリアルショーケースは、成果の最大化や定着化に向けて最短距離を進むための道標となるだろう。

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