我々は“ムダな会議”にいかに膨大な時間を使っているのか?

業種や企業文化、役職によって多少の差はあるとはいえ、オフィスワーカーにとっては、ある程度の時間が会議に費やされていることと思います。しかし、以下のような生産的ではない会議も多々含まれているのではないでしょうか?

  • なぜ自分が呼ばれているか分からない
  • 何のための会議なのか分からない
  • 定例会が形骸化していて意味がなくなってきた
  • そもそも対面で打ち合わせしなくても済む内容と感じる etc

本記事ではいくつかの調査結果(*1)を元に、日本企業における“ムダな会議”の実態を明らかにしたいと思います。

*1:パーソル総合研究所/中原淳(2017-8)「時間労働に関する実態調査(第一回・第二回共通)」
https://rc.persol-group.co.jp/column-report/201812130003.html

1. 業務の 3分の1が社内会議!?

1年間に社内会議に費やされている時間は係長クラスで301時間、部長クラスで434時間にも上るとされています。 この数字はあくまで社内の会議を対象としており、顧客や取引先との商談や打ち合わせは含まれていません。

1ヶ月の勤務時間を150時間と仮定すると、係長級で約2カ月、部長級だと 3カ月弱もの時間をかけて、社内の会議だけを実施していることになります。 さらに 1万人規模の企業だけに絞ると、部長級でなんと 630時間、4カ月以上の時間が社内会議に費やされていることが分かります。

これは業務全体の 3分の1に相当します。 顧客や企業外部との会議はこれ以外に存在しているため、それも含めると膨大な時間が会議に費やされているといえるでしょう。日本企業では多くの時間、労力、コストをかけて、会議を実施しているということが分かります。

2. 会議の4分の1はムダ!?

しかし、残念なことに、すべての会議が有益とは考えられていません。ているにも関わらず、その一部はムダな会議であると参加者に思われているようです。本記事の冒頭で記載した特徴のような会議では、確かにムダな会議と感じることもあるでしょう。問題はその割合です。

なんと、リーダークラスは 27.5%、メンバークラスは 23.3%の会議はムダと感じると回答しています。つまり、社内会議の約4分の1は、参加者にとってムダな会議だと思われている、ということになります。これでは参加者のモチベーションも生産性も上がらないでしょう。

この調査レポートでは、この「ムダ会議」を年間の総時間、人件費に換算しています。企業規模によって試算結果が異なるため、従業員 1,500人規模の企業と、従業員 10,000人規模の企業に分けて算出されています。その結果、1,500人の企業では年間 91,900時間、10,000人の企業では年間約67万時間も費やされていることがわかります。さらに、この時間に費やされている人件費は、それぞれ 1,500人の企業で約2億円、10,000人の企業で約15.2億円にも上るとの算出結果が出ています。

帝国データバンクの調査(2018)(*2)によると、日本企業の一人当たりの経常利益額は 172万円となっています。この数字に 1,500人、10,000人の従業員数を掛け合わせると、それぞれ25.8億円、172億円となります。

単純に「ムダ会議」にかかる人件費がすべてなくなったと仮定すると、それぞれ 7.7%、8.8% も計上利益額が改善することになります。当然、これに係る人件費は固定費ですから、ムダな会議がなくなったとしても、 その分の人件費が生じなくなるわけではありません。

しかし、ムダな会議が少しでも減れば、売上高や利益の拡大に直結する、より生産的な業務にあてることが可能となるでしょうし従業員のモチベーションの低下も抑えられる可能性もあるでしょう。ムダな会議がいかに生産性を低下させているかがお分かりいただけるかと思います。

*2:帝国データバンク / 全国企業財務分析調査(2018年)
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p181204.pdf

3. ムダな会議の 3つの特長

では、ムダな会議とはそもそもどのようなものでしょうか?本調査の結果では、ムダな会議の特徴として、以下の 3点が挙げられています。

2も 3も望ましくない会議であることは間違いありませんが、最も本質的な問題は 1のような状況ではないでしょうか。会議を行うということは、主催者が出席者の業務時間を奪っていると言い換えることも可能です。本来は他の業務を実施することができる時間を、その会議のためにあてることになるわけです。 参加者が多ければ多いほど、奪われている時間は多いことになります。

それにも関わらず、会議が終わっても何も決まっていない、すなわち何の成果も出ていない、という状態では、ムダな会議だったと思われてもやむを得ないでしょう。会議を開催して参加者を拘束する以上、何らかの成果、アウトカムを出して次につなげていくことが求められます。

最後に

本当に必要な会議だけが、最小限の時間で開催され、会議の成果が確実に出せるようになれば、このようなムダな会議が減り、企業全体の生産性が向上していくことと思います。

以上、日本企業における会議の現状についてお伝えしました。本コラムでは、会議に関する様々な情報を整理してお伝えします。今後とも是非ご愛読いただければと思います。

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